少しだけ深く息を吸えるように

穏やかな時間が流れる日曜日。
窓から差し込む光も、どこかやわらかくて、世界が少しだけ静かに呼吸しているように感じる。本来なら、こういう時間こそが日常なのかもしれない。

けれど私は、どこか落ち着かない。
何もしていない自分に、うっすらとした焦りを覚えてしまう。気づけば、「今日も何かを進めなければ」と、自分を急き立てる声が頭の中で響いている。

それはきっと、これまでの積み重ねなのだろう。
休むことを後回しにして、走り続けてきた時間。何かに追われるように、あるいは自分で自分を追い込むように、手を止めずにやってきた日々。そのリズムが、今も身体の奥に残っている。

だから、この静けさにまだ慣れない。
何も起きない時間が、どこか不安で、少しだけ心細い。

けれど、ふと思う。
この穏やかさもまた、前に進むためのひとつの時間なのではないかと。

立ち止まることでしか見えない景色がある。
余白があるからこそ、次に何を描くのかを考えられる。走り続けるだけでは、気づけなかったことが、ゆっくりと浮かび上がってくる。

これから先、やり遂げたいことを思い描くと、また忙しさの中へ戻っていくのだろう。
穏やかな日々は、もしかすると、そう多くは訪れないのかもしれない。

それでもいい。

だからこそ、こうして訪れた静かな一日を、ただ静かなままに味わっていたいと思う。
何かを成し遂げるためではなく、何者でもない自分でいられる時間として。

やがてまた、歩き出すその時に、少しだけ深く息を吸えるように。

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