あいにくの雨が続くゴールデンウィークになった。窓の外は、どこか遠慮がちに降り始めたはずの雨が、いつの間にかしっかりとした音を立てている。ついこの前まで、春の陽気に浮かれていたのに、今日は少し肌寒い。季節が一歩戻ったような感覚に包まれる。
本来なら、どこかへ出かける予定を立てていたかもしれない。人の流れに乗って、少し賑やかな場所へ足を運んでいたかもしれない。でも、この雨がそれを静かに引き止める。無理に外へ出る理由をひとつずつ消していくように。
だからこそ、家の中で過ごす時間が、いつもより自然に受け入れられる。
こういう日は、焦らなくていい。何かをしなければならないという圧力から、少しだけ距離を取れる気がする。外の世界が少しだけ遠のく分、自分の内側に目が向く。静かな時間が、ゆっくりと広がっていく。
読書は、そんな時間と相性がいい。
ページをめくる音と、雨音が重なる。小説の中に入り込んでいく。言葉を追いながら、ふと顔を上げると、変わらず降り続く雨がそこにある。その繰り返しが、どこか心地いい。
気づけば、ページは思っていた以上に進んでいる。読もうとして読んでいるというよりも、自然と手が伸びている感覚に近い。
雨はまだしばらく続きそうだ。
けれど、それを理由に立ち止まる時間も、きっと必要なのだと思う。無理に晴れを求めなくてもいい。今あるこの静けさの中で、できることをやればいい。
そう思いながら、私はまたページをめくる。
