映画を見ることは、やはり勉強になるのだと思う。感覚的で、自由な学びだ。
数時間という限られた時間の中に、作り手のアイデアや思想、人生観、世界の見え方が詰め込まれている。どういうカメラワークを選ぶのか、どんな間を使うのか、何を語って何を語らないのか。そういう細部に、その人の美学が滲み出る。
映画を見ていると、「この人はこんな風に世界を見ているのか」と感じる瞬間がある。それがおもしろい。
そして映画の良さは、没入できることだと思う。しばらく別の世界に連れて行ってもらえる。
今の時代、気が散るものはいくらでもある。
スマホを開けば通知が届き、SNSを見れば次から次へと情報が流れていく。集中力は常に分断され続けている。だからこそ、ひとつの作品にじっくり向き合う時間というのは、実はかなり贅沢なのかもしれない。
映画を見るという行為は、単なる娯楽ではなく、「集中する時間」を自分に取り戻すことでもある気がする。何かを深く味わう感覚。誰かの表現を受け止める感覚。そういうものを忘れないためにも、映画は大事なのだろう。
僕はほとんどテレビを見ない。
だからこそ、その分の時間を映画や読書に使えているのだと思う。もちろん、テレビにも価値はあるのだろうけれど、自分にとっては、受け身に流れていく情報よりも、自分の意思で作品の中に入っていく時間の方が性に合っている。
どんな作品に触れるかで、見える景色は変わっていく。
演劇でも、映画でも、本でも、他者の表現に触れることは、自分の感覚を少しずつ更新していく作業なのだと思う。
