季節は少しずつ夏へ向かっている。日中は汗ばむ日も増えてきたが、朝晩にはまだ涼しい風が残っていて、その心地よさに救われる瞬間がある。重たかった空気が少し軽くなり、街全体がゆっくりと衣替えを始めているようにも感じる。
気づけば、スーツのジャケットもそろそろ必要なくなってきた。春先には当たり前のように羽織っていたものが、いつの間にか手に持つだけになり、やがて着なくなる。そんな小さな変化の積み重ねで、季節は進んでいくのだと思う。
この時期の好きなところは、新緑の鮮やかさだ。木々の葉はまだ若く、太陽の光を受けて眩しいほどに青い。桜の季節が終わり、少し落ち着いた空気の中で、今度は緑が主役になっていく。何気なく歩いているだけでも、その生命力に圧倒されることがある。池に咲いている蓮の花が綺麗だった。
春の慌ただしさが少し落ち着き、夏本番が来る前の、このわずかな時間。暑すぎず、寒すぎず、外を歩くことが気持ちいい季節だ。きっと、こういう何気ない日々の空気感こそ、後から振り返ると記憶に残っているのかもしれない。
