欲張りになってはならない。最近、そんなことを改めて考えている。
人間は不思議なもので、何かを手に入れると、それが当たり前になってしまう。以前は「これがあれば十分だ」と思っていたはずなのに、気がつけばもっと先を求めている。もっとお金が欲しい。もっと評価されたい。もっと自由な時間が欲しい。もっと、もっと、と際限がなくなっていく。
向上心そのものは悪いことではない。理想に向かって努力することは大切だし、私自身もそうやって生きてきた。しかし、向上心と欲望は時として境界線が曖昧になる。気づかないうちに「今あるもの」ではなく、「まだ持っていないもの」ばかりを見つめるようになってしまう。
そうなると、どれだけ恵まれていても満たされない。
本当は健康に過ごせていることも、好きなことに取り組めていることも、支えてくれる人がいることも、決して当たり前ではない。それなのに、人は手元にある幸せを見落とし、遠くにある何かばかりを追いかけてしまう。
なぜ人間は欲望に蝕まれてしまうのだろう。
おそらく、それは生き延びるために備わった本能なのだと思う。より多くを求めることで、より安全に、より豊かに生きてきた歴史がある。だから欲望そのものを消し去ることはできないし、その必要もない。
ただ、欲望に振り回されてしまうと話は別だ。
自分が何を求めているのかを理解しながらも、今ここにある幸せを見失わないこと。そのバランスが大切なのだろう。
今日の、ちゃんと食事をして、本を読み、仕事をして、好きなことを考える時間もあった。こうして穏やかに一日を終えられること自体が、実は十分に幸せなことなのかもしれない。
もっと先を目指してもいい。夢を追いかけてもいい。
けれど、その途中で立ち止まり、「もうすでにたくさんのものを持っている」と気づくことも忘れてはならない。
改めて…ね。
