時代が変われば、価値観も変わる。
便利なものが次々と生まれ、人々の暮らしも、コミュニケーションの形も、驚くほどの速さで変化していっている。
しかし、その一方で、何百年、何千年という時を越えても、色あせることなく受け継がれてきたものもあるだろう。
それは、人を思いやる心ではないだろうか。
誰かの幸せを願う気持ち。
大切な人を失って流す涙。
夢に向かって挑戦する勇気。
失敗から立ち上がろうとする強さ。
そうした感情は、時代が変わっても、人間である限り変わらない。
だからこそ、古典文学を読んでも心が揺さぶられるし、何百年も前に書かれた詩や音楽に共感することができる。そこには、時代を超えて共鳴する「人間らしさ」が息づいているからだ。
新しい技術は、私たちの生活を豊かにしてくれる。
AIも、インターネットも、その恩恵は計り知れない。
けれど、どれほど時代が進歩しても、人と人との信頼や、感謝の言葉、誰かを愛する気持ちは、機械が代わりに生み出せるものではない。
未来をつくるために、新しいものを学ぶことは大切だ。
しかし同じくらい、昔から受け継がれてきた普遍的な価値にも目を向けたい。
変わるものを受け入れながら、変わらないものを大切にする。
その両方を持ち続けられたら、どんな時代でも豊かに生きていけるのではないだろうか。
時代は流れ続ける。
人は生まれ、そして去っていく。
それでも、人の心から人の心へと受け渡される優しさや希望は、まるで消えることのない灯火のように、静かに未来を照らし続ける。
本当に時代を遥かに超えて伝わるものとは、形あるものではない。
人の心に宿り、次の誰かへと受け継がれていく「想い」なのだと思う。
「想い」を「形」にすることは、演劇だと思っている。
