八戸での公演を無事に終え、今日は少しだけ肩の力を抜いて、八戸周辺を巡った。
まずは種差海岸へ。
広い海と芝生が広がる景色を前にすると、舞台の上で過ごしていた時間とはまた違った静けさを感じる。海を眺めながら、今回の旅が終わりに近づいていることを少し実感する。
そして、蕪島(かぶしま)へ。
公演を無事に終えることができたことに感謝し、株が上がるように祈願をしてきた。

舞台では、限られた空間の中に一つの世界をつくっていた。
でも今日は、その何倍も大きな自然の中に身を置いている。
人間がつくる世界と、自然がつくる世界。
どちらも不思議なほど人の心を動かす。
その後、三沢へ向かい、寺山修司記念館にも足を運んだ。
演劇に携わる者として、一度訪れてみたいと思っていた場所である。
寺山修司が残した言葉や作品に触れながら、表現することについて改めて考えさせられた。
舞台を終えたばかりだからこそ、余計に感じることもあったのだと思う。


作品をつくること。
知らない土地へ行くこと。
そこで人と出会うこと。
そして、その土地を自分の目で見て、感じること。
今回の八戸の旅は、公演だけで終わるものではなかった。
舞台を届けに来たはずが、いつの間にか、この街からたくさんのものを受け取っていた。
もうすぐ、この八戸を離れる。
けれど、一度訪れた街は、もう完全な「知らない場所」ではない。
ここで出会った人、見た景色、過ごした時間。
それらは、これからもきっと自分の中に残っていく。
舞台は終わったけれど、この旅で生まれた物語は、まだ終わっていないのかもしれない。



