「約束を生きる」

そんな言葉が、やけに心に残って離れない。

映画『急に具合が悪くなる』の原作を読み終えた。読み終わった瞬間に何かが終わったというより、むしろそこからじわじわと、言葉や問いが自分の中に染み込んできているような感覚がある。

その中でも、「約束を生きる」という言葉が、ずっと引っかかっている。

約束というと、誰かと交わすものだと思っていた。
「また会おう」とか、「こうしよう」とか、未来のある時点で果たすもの。

けれど、「約束を生きる」となると、少し違って聞こえる。

未来のために約束を守るのではなく、その約束を抱えながら、今日を生きていく。

誰かと交わした言葉。
自分自身にした決意。
まだ形になっていない願い。
いつかこうなりたいと思ったこと。

そういうものを、結果として実現できるかどうかだけではなく、その約束そのものを胸に抱えて生きていく。

そんな意味なのかもしれない。

本を読み終えてから、すぐに答えが出たわけではない。
むしろ、分からないまま残っている。
でも、分からないからこそ、何度も思い返してしまう。

映画を観て、本を読んで、それで終わりではない。
作品から投げかけられた問いが、自分の日常の中に入り込んできて、ふとした瞬間に顔を出す。

「自分は、何を約束して生きているのだろう。」

そんなことを考えている。

余韻というのは、不思議なものだ。
観終わった、読み終わった、その瞬間ではなく、そのあとにじりじりとやってくる。
そして、気づかないうちに、自分の生き方そのものを少しずつ揺らしている。

「約束を生きる」。

今はまだ、この言葉の意味を完全には分からない。
でも、なぜだか大切な言葉のような気がしている。

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