「スタージェンムーン」という言葉を見かけた。
8月の満月をそう呼ぶらしい。日本語にすると「チョウザメ月」。なるほど……と思う一方で、正直なところ、なぜ満月とチョウザメなのかはよくわからない。
調べてみると、北米の先住民や農耕・漁労の文化のなかで、季節ごとの自然現象や動植物を月の名前に結びつけてきたことに由来するという。
月は昔から、単なる天体ではなかったのだろう。
季節を知る目印であり、自然の変化を知らせる時計でもあった。だからこそ、その時期に特徴的な魚や植物、動物などが月の名前になったらしい。
だが、結局、チョウザメのことはそれほどよくわからない。
でも、ひとつの月に名前をつけ、その名前の背景に季節や自然や暮らしを残してきた人々の感覚には、少し惹かれるものがある。
月は昔から変わらない。
ただ変わったのは、月を見る人間だ。
そんな満月に願い事をする今宵だ。


