ほとんどテレビを見なくなった。
いつからそうなったのかは、よく覚えていない。家に帰ってテレビをつけることもなくなった。ニュースも大体ネットで見るし、暇な時間があれば、スマホで動画を見る。
だからといって、映像を見なくなったわけではない。
むしろ、昔テレビで見ていたような番組も、今はネットで見ることができる。ニュースやドキュメンタリー、バラエティー、スポーツ、ドラマ。テレビで放送されていたものが、ネットで好きな時間に見られる。
「テレビを見ない」というより、「テレビという機械を通して見る必要がなくなった」というほうが正しいのかもしれない。
昔は、番組表を見ながら「今日は何を見よう」と考えていた。見たい番組があれば、その時間まで待った。そんなことを最近したのは、ワールドカップサッカーの時ぐらいだ。
今は違う。
見たいと思ったときに検索すればいい。数分だけ動画を見ることもできるし、気になった番組を後からまとめて見ることもできる。
ニュースだって、テレビのニュース番組を待つ必要はない。ネットを開けば、今起きていることが流れてくる。
便利になったと思う。
一方で、少しだけ寂しい気もする。
テレビには、自分が選んでいなかったものまで勝手に目に入ってくる面白さがあった。たまたま見た番組が意外と面白かったり、何となく見ていたニュースから知らない世界に興味を持ったり。
ネットは、自分の興味に合わせてくれる。アルゴリズムで勝手にスマホにでてくる。
だから、見たいものを見るという点では圧倒的に便利だけれど、偶然の出会いは少なくなったのかもしれない。
それでも、今はテレビよりスマホを手に取る。
テレビがなくなったわけではない。テレビで放送されていたものが、テレビの外へ広がっただけなのだろう。
そう考えると、僕はテレビを見なくなったというより、テレビというものとの付き合い方が変わったのかもしれない。


