そんな経験はないだろうか。
もちろん、頭の中で思い描いただけで、突然現実が変わるわけではない。ただ思うのは、「人は、想像できた未来に向かって動き始めるのではないか」ということだ。
たとえば、「こんな仕事がしたい」と思い始めると、今まで気にも留めなかった情報が目に入ってくる。誰かとの出会いを想像していると、少しだけ人とのつながりに積極的になる。舞台の上に立っている自分を何度も思い描いていると、いつの間にか、そのための準備を始めている。
そう考えると、「想像したことが現実になった」という出来事の裏側には、想像によって少しずつ変わっていった自分の行動があるのかもしれない。
心理学でも、未来を具体的に、鮮明に思い描くことと、目標への取り組みや幸福感との関連が研究されている。特に、自分にとって意味のある未来を、できるだけ具体的に想像することには、心や行動に影響を与える可能性があるという。
だから僕は、想像することを大切にしたい。
「こうなったらいいな」ではなく、もうちょっと具体的に。
どこにいて、誰といて、何を話していて、そのとき自分はどんな気持ちでいるのか。
そんな未来を、時々頭の中で眺めてみる。
すると、不思議なことに、現実の中にその未来へ続く小さな道が見えてくることがある。
想像は、現実逃避ではなく、まだ存在していない未来を、自分の中で先に生きてみることなのかもしれない。
そして、その未来を何度も思い描いているうちに、自分自身が少しずつ変わっていく。
気がつけば、以前は「想像していただけ」だった場所に、本当に立っている。
だから、これからも想像してみようと思う。
どうせなら、叶わない未来より、叶ってほしい未来を。
そしていつか、「そういえば、あのとき想像していたことが、本当になったな」と笑えるように。


