映画を観ることが好きだ。
もちろん、映画そのものが好きなのだけれど、最近は映画を観終わった「あと」の時間も、同じくらい好きなのだと思う。
エンドロールが流れ始めても、すぐには席を立たない。スクリーンを眺めながら、さっきまで観ていた物語の中に、もう少しだけいたくなる。
「あの場面は、どういう意味だったんだろう」と考えたり、登場人物の言葉を思い返したりする。映画の中では気づかなかったことが、終わってからじわじわと浮かんでくることもある。
ときには、何がそんなに心に残ったのか、自分でもよく分からない。ただ、映画館を出てからも、その作品の空気が身体のどこかに残っているような感覚がある。
帰り道の景色まで、少し違って見える。
映画には、観ている時間だけでは終わらない作品がある。むしろ、観終わってから自分の中でゆっくり育っていくような映画があるのだと思う。
そういう映画に出会うと嬉しい。
すぐに感想を言葉にしてしまうよりも、しばらく黙って余韻に浸っていたい。何日か経ってから、ふとある場面を思い出して、「ああ、あれはそういうことだったのかもしれない」と気づくこともある。
映画を観るというのは、物語を受け取ることだけではないのかもしれない。
映画が終わったあと、自分の中に何が残ったのかを確かめる時間まで含めて、映画なのだと思う。
だから僕は、映画の余韻に浸るのが好きだ。




