アニメも知っているので、実写化によってどこまで変わるのだろうと思っていたが、実際に観てみると、大きく離れることはなく、かなり忠実につくられていた。
それでも、ちゃんと是枝裕和監督の映画になっている。
特に良かったのは、藤野と京本を演じた二人の女の子。二人の距離感や、言葉にならない感情がとても自然に伝わってきた。藤野のちょっとハッタリをかますような演技がよかった。そして、その二人を取り囲むようにベテラン俳優陣がしっかりと作品を支えている。若い二人の存在が浮くことなく、ひとつの世界として成立していた。
『ルックバック』は、漫画を描く二人の少女の物語でありながら、結局は「誰かと出会うことで、自分の人生が変わっていく」という話なのだと思う。
そして、何かをつくることには、きっと意味がある。
誰かに届くかもしれない。誰かの背中を押すかもしれない。あるいは、つくったものが自分自身を支えてくれることもある。
演劇をやってきた自分にとっても、どこか他人事ではない物語だった。
観終わったあと、強く何かを訴えかけてくるというより、静かに残る余韻に浸っていた。
アニメを知っているからこその楽しさもある。でも、何も知らない人がこの映画から入るのも、きっと悪くない。むしろ、その方が素直に二人の物語を受け取れるのかもしれない。
いい映画だった。
そして、観終わってから、もう一度アニメを見返したくなる。
そんな映画だったな。




