少し冷静になってきて、なんであんなに自分が頑なだったのかを考えている。
そのときは、それが正しいと思っていた。
譲れないことがあって、ここだけは曲げてはいけないと思っていた。
でも、時間が経って少し距離を置いて眺めてみると、本当にそこまで頑なになる必要があったのだろうかと考えている。
自分を守ろうとしていたのかもしれない。
傷つきたくなかったのかもしれない。
あるいは、自分の中にある大切なものを守るために、必死になっていたのかもしれない。
頑なになるには、それなりの理由がある。
だから、あのときの自分を簡単に否定するつもりはない。
その瞬間の自分には、その瞬間なりの事情があったのだと思う。
本当は何を大切にしたかったのか。
何を失いたくなかったのか。
そこまで考えてみると、頑なになっていた自分の奥に、別の気持ちが見えてくる。
少し冷静になれた今だからこそ、それをちゃんと見てみたい。
間違っていたと決めつけるのでもなく、正しかったと言い張るのでもなく。
そうすると、自分のことが少しだけ分かる気がする。
人間は、感情の真ん中にいると、自分のことさえ見えなくなる。
だから、少し時間が必要なのだと思う。
冷静になるというのは、感情をなくすことではない。
感情を抱えたまま、その感情の向こう側にあるものを見ようとすることなのかもしれない。




