時間はあっという間に過ぎていく。
なかなか追いつけない。
この期間にいったい僕は何を成し遂げたのだろうか。
日々の目の前のことをこなしていくのに精一杯だ。
「これでいいのか?」と自分に問いかけることが増えた。
もっとできたはずじゃないか。もっと前に進めたんじゃないか。
そんな思いが、ふとした拍子に胸を締めつける。
けれど…
そんな風に立ち止まって、自分のことを見つめ直す時間もまた、無駄ではなかったのかもしれない。
日々に追われながらも、ちゃんと立ち止まって「僕はどうありたいのか」と考えた時間が、心の奥に静かに積もっていた。
小さな気づきや、ほんの少しの優しさを、誰かに渡せたこともあった。
大きな成果じゃなくていい。誰かに誇れるような見栄えのする実績じゃなくてもいい。
くじけずに、投げ出さずに、今日という日を生きたこと。
それはきっと、未来の僕をつくる土台になる。
振り返れば、あの日あのときの自分だって、今の僕にたどりつくために必死に頑張っていた。
その歩みがあったからこそ、今ここに立っている。
自分のペースで、自分のリズムで、歩き続ければいい。
光は、いつも遠くにあるように見えるけれど、目を凝らせば、足元にもちゃんと小さな灯りがある。
そのひとつひとつを大切にしていけば、きっと道は続いていく。
焦らなくていい。うまくいかない日があっても大丈夫。
まだ未来がある。希望がある。
そう思えたとき、不思議と胸が少し軽くなる。
だからもう一度、顔を上げよう。風の向こうには、まだ見ぬ景色がきっと待っている。