今宵は新月。空を見上げても月の姿は見えない。それでも、空気の中にかすかなざわめきのようなものを感じる。深夜に帰宅したせいか、街灯の明かりさえ遠くに思えるほど、夜が静まり返っていて、自分の心の奥にまでその静けさが沁み込んでくる。
新月の夜は「何もない」ように見えて、実はすべてが始まっている瞬間だと言われる。光が消え、姿が隠れているこの時こそ、過去をそっと手放し、新しい種を心に埋めるタイミング。私はこの闇に身をゆだねながら、内側に潜む願いや想いをひとつずつ確かめていく。
姿が見えないのに、その存在を強く感じるということ。それは、本当に大切にしたいものも同じかもしれない。目に見える形や成果がなくても、心の奥で育っているものがある。今夜の新月は、そのことをそっと教えてくれている気がする。
見えない力を信じること。静かな闇の中にある豊かさに気づくこと。そして、そこから新しい一歩を踏み出すこと。そんな新月のパワーを感じる夜だ。
