老いと向き合う

老いと向き合う、という言葉には、どこか身構えてしまう響きがある。衰え、失うこと、できなくなること。そんなイメージが先に立つからだろう。けれど老いとは「減っていくこと」だけではなく、「変わっていくこと」でもある。

若い頃は、多少無理をしても何とかなった。睡眠を削り、勢いで走り続けることができた。今はそうはいかない。身体は正直で、疲労は蓄積し、回復には時間がかかる。ごまかしはきかない。そこに抗おうとすると、かえって壊れてしまう。

老いと向き合うとは、その現実を認めることから始まるのだと思う。
できなくなったことを嘆くより、今の自分に合ったペースを探すこと。無理を重ねる勇気ではなく、立ち止まる判断を持つこと。

一方で、年を重ねたからこそ手に入るものも確かにある。経験が積み重なり、物事を急がなくなり、人の弱さに少し寛容になれる。結果だけでなく、過程を見る余裕も生まれる。若さの代わりに、深さを得ているのかもしれない。

老いは、誰にも平等に訪れる。避けることはできないが、どう向き合うかは選べる。
否定するか、受け入れるか。恐れるか、味わうか。

できれば、老いを「終わり」ではなく、「調整の時期」として捉えたい。
これまで積み上げてきたものを見直し、手放すものを選び、これからも続けていくものを静かに決めていく時間である。

若い頃のように速くは走れないかもしれない。
それでも、遠くまで行くことはできる。

老いと向き合うことは、自分の人生と丁寧に付き合い直すことなのだと思う。
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