「若い人が佐賀の歴史に関心を持つようにする」
その言い方そのものが、少し押し付けがましいのではないかと、最近私は思っている。
「関心を持たせる」という発想の奥には、どこかで「持つべきだ」という前提が潜んでいる。けれど、関心というものは、誰かに手渡されるものではなく、ふとした瞬間に自分の内側から芽を出すものではないか。
私たちが続けている歴史寸劇活動で、何かが届く瞬間は、きっとある。
目を輝かせてくれる若者もいるし、終演後に声をかけてくれる人もいる。あの一瞬の手応えは、確かにある。
けれど、あくまで種まきだ。
どこに落ちたのかもわからない種。
雨が降るかどうかもわからない。
芽が出るのか、出ないのかもわからない。
それでも、私たちは蒔き続ける。
これから新しいコンテンツや仕掛けが生まれ、もしかするとバズることがあるかもしれない。けれど、それは仕組みの勝利であって、アルゴリズムの妙であって、必ずしも歴史そのものへの関心とは一致しない気もしている。
歴史そのものに向き合うというのは、思っている以上にハードルが高い。
そこには時間が必要だし、想像力もいるし、自分の現在と結びつける力もいる。
それでも私たちは、簡単に諦めるわけではない。
なぜなら、歴史は押し付けるものではないけれど、消えていいものでもないからだ。
私たちが舞台で語る佐賀の物語は、正解を教えるためではない。
ただ、「ここにこんな人がいた」という事実を、今の時間にそっと置くだけだ。
それを拾うかどうかは、その人の自由。
拾わなくてもいい。
でも、もし十年後、ふと何かのきっかけで思い出してくれる瞬間があるなら、それで十分なのかもしれない。
私たちは今日も種を蒔く。
収穫を急がずに。
成果を誇らずに。
歴史に関心を「持たせる」のではなく、
ただ、出会わせる。
それくらいの距離感で、ちょうどいいのだと思っている。
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