帰国してまず強く感じたのは、日本のトイレの清潔さだ。公共のトイレでさえ、隅々まで行き届いた掃除が当たり前のように行われている。汚れたトイレに遭遇することは稀で、その清潔さが日常の一部であることに改めて驚かされる。
この国のトイレの清潔さは、単なる便利さ以上のものを示している。幼い頃から、学校で自分たちで掃除をする習慣が身についており、その根底には、国民全体の「美」を追求する意識が息づいているのだろう。トイレだけでなく、ゴミの分別や列に整然と並ぶといった日常の行動にも、その精神は深く根付いている。他人の目に入るところでは、常に秩序を守ることを重んじる文化が、日本独自のものだと感じる。
しかし、そんな日本の美徳を感じる一方で、海外での自由さもまた頭をよぎる。世界に飛び出して初めて、私たちがどれほど他者を気にし、配慮して生きているのかに気づかされるのだ。その気配りの文化は、時に窮屈さを感じさせることもある。
それでも、日本の良さが心にしみてくる。私は再びこの国の美しさと向き合いながら、自分自身の中で新たなバランスを見つけようと思った今日であった。