先日、10月に控えた舞台の稽古に足を運んだ。今回の作品は再演とはいえ、久しぶりに台本を手に取ると、やはり少し緊張する。それでも、読み合わせの中でセリフがほとんど変わっていなかったことに、どこかホッとした気持ちになった。
とはいえ、今回はキャストがかなり入れ替わっている。これから重ねていく稽古の中で、芝居そのものの色合いも、雰囲気も、まるで別の作品のように変わっていくのだろう。それが舞台の面白さであり、何度やっても飽きることのない理由だと思う。今はまだ週に一度のゆったりとしたペースだが、時間は思いのほか足早に過ぎていく。気づけば本番が目前に迫っている――そんなことのないよう、そろそろセリフの確認に本腰を入れよう。
現時点で、自分が出演する大きな舞台はこの作品だけだが、「八賢人おもてなし隊」の活動はこれまで通り続いており、佐賀城本丸歴史館や各地での外部公演も定期的に行っている。こうしてお客様の前で演じる機会が途切れないことは、本当にありがたいことだ。夏から秋にかけては、毎年のように出演が増え、週末の予定がびっしりと埋まっていく。だからこそ、今のこの少しだけゆるやかな時間は、かえって貴重なのかもしれない。
思い返せば、2008年に佐賀へ戻ってきてから、ずっと演劇に関わる日々を送っている。舞台に立ち、物語を紡ぐ。その繰り返しの中で、いつしか日常の一部になっていた。「一生懸命になれるものがある」。それは、何よりも幸せなことなのだと、改めて実感している。