リスクの向こう側に

リスクの向こう側にしか、手に入らないものがある。
それは、簡単に手の中には収まらない。
だからこそ人はそれを「夢」と呼ぶのだろう。

たった一歩を踏み出すだけで、すべてが変わることはない。
けれど、その一歩が、見えてくる景色を変えていく。
時間をつくり、学び、積み重ねていくしかない。
焦らず、諦めず、ただ愚直に。淡々と。

他人のスピードを見て、心がざわつくこともある。
でも、比べるべきは他人じゃない。
比べるべきは、昨日の自分。
昨日より、ほんの少しでも前に進めたか。
それがすべて。

楽しいだけでは続かない。
好きなだけでは、いつか飽きが来る。
けれど、不思議なことに「嬉しい」と思えることは、ずっと続けられる。

たとえば、できなかったことができるようになった瞬間。
わずかでも誰かに感謝されたとき。
思いが形になったとき。
そんな小さな「嬉しさ」が、心の奥に残って、
また次の一歩を踏み出す力になる。

だから、今日という一日を無駄にしない。
何かひとつでも学び、気づきを得て、
昨日の自分を追い越すように――

そして気づくのだ。
「あの日」の選択が、未来をつくっているということに。
「もう少しだけやってみよう」
「まだ終わらせたくない」
そう思ったあの夜が、人生を変えていたと、
振り返ったときにきっとわかる。

半年後の自分が、
あの日の自分に「ありがとう」と言ってくれるように。
1年後の自分が、
「諦めなかった自分は、間違っていなかった」と思えるように。
5年後の自分が、
「これが自分の道だった」と、誇りを持って笑えるように。

今日もまた、一歩ずつ。
誰にも見えない場所で、静かに足を踏み出していく。
夢に、近づいていくために。

嬉しさという小さな光を、胸に灯しながら。

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