リセットして、手放す。前に進む。
その言葉が、これまでただの願望だったのに、今は現実の手触りを持ちはじめている。
完全に何かを断ち切るわけではない。ただ、これまでの形を少しずつ変え、空気を入れ替え、光の差し込む窓を開けること。
胸の奥で息を潜めていた本音に、ようやく耳を傾けられるようになったことが、自分の中の小さな革命だ。
本当に生きたい生き方、やりたいことを、ためらわずに優先させる。
育てていきたいもの、守りたいものを、ひとつひとつ確かめる。
達成したいことを、夢ではなく日常の中に置き、そこに手を伸ばす。
手放すことは、失うことじゃない。
新しい自分を迎えるための空白をつくること。
その空白には、まだ見ぬ景色や出会いが、静かに流れ込んでくる。
未来からの風が、背中を押してくる。
その風に、少しずつ体を預ける感覚が心地いい。
怖さもある。なじんだもの、積み上げてきたものを緩めることは、無防備さを伴う。
けれど、その無防備さの奥に、かつて忘れていた自由がある。
不器用でも、自分の手で未来を形づくる自由。
他人の評価ではなく、自分の心の声を道しるべにして歩ける自由。
空は昨日より高く、雲は昨日より軽い。
歩くたびに、少しずつ視界がひらけていく。
世界は、こちらの変化に合わせて、姿を変えていくようだ。
まだ確かな形を持たないけれど、そこには確かに希望がある。
いま、その始まりに立っている。そう感じながら、私は深く息を吸い込み、胸の奥にしまっていた言葉を静かに解き放った。
「さあ、行こう!」
