凄い映画を見てきた。圧倒された。映画でこのような衝撃を受けたのは「パラサイト」以来であろう。
そう、【第94回アカデミー賞】において日本映画として史上初の快挙アカデミー賞にノミネートされている「Drive My Car」だ。3月28日に表彰式となっているのが、前評判では賞をとるのは確実とまで言われている。すでにカンヌ映画祭では脚本賞を受賞している。
原作は村上春樹さんなので、若干大人向けの内容であることは、これから見る人は覚悟はしておいた方がいい。この世界観は凄い。詳しくはネタバレになるので書かないが、物語が何層にもレイヤーされている。細かすぎて気づかないようなことを繊細に表現されている。村上さんの世界を圧倒的な脚本力によって、人間の雑な感情が溢れ出す作品として作り上げた濱口竜介監督は素晴らしい。
実は私はそこまでのハルキストではない。しかし興味を持ったのは、チェーホフの演劇「ワーニャ伯父さん」を扱っていて、演劇人が描かれているからである。しかも多言語による演劇というところが、とても面白い。実は、これは私がやってみたかったことであるが、実際に見るチャンスが今までなかった。映画の中とは言え見ることができて、なんだか可能性が見えた気がした。
主人公の家福を演じる西島秀俊さんが、なんとまあカッコイイこと。まさにイケオジの代名詞と言ってもいいだろう。何をやっても絵になる。英語を話せる主人公が演出家として英語で指示をしたりしているのを見ていると、「演劇x英語」という点で自分勝手に主人公と自分を被せてしまったが、そんなこと言ったらファンにめちゃくちゃ怒られそうだ(笑)。
179分の大作は長いと思われるかもだが、あっという間に時間が過ぎていくことは間違いない。現在、特別に映画館で再演されているので、この機会に是非、映画館で見てもらいたいものだ。
作品の細かいところを語り合いたいので、誰か見た人を教えて欲しい。
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