ノスタルジック

タイの街はどこか昔の日本を思い起こさせる。洗練され過ぎず、どこか未完成な部分が残るその風景は、ノスタルジックでありながらも新鮮だ。道端で香ばしい煙をたてる屋台、カラフルな看板が並ぶ通り。全てが完璧ではないからこそ、心地よい混沌がそこに広がっている。今の日本が持つ整然とした美しさも確かに良いけれど、時にはこの少し不便で、しかし自由で開放的な空気に身を任せたくなる。

異国に出ることで、違いに気づき、そこでしか味わえない感覚を堪能することこそが、旅の醍醐味だと改めて感じる。違うからこそ、その土地の謎めいた魅力に心が揺さぶられるのだ。

今日は、タイ料理クッキングの活動に参加した。日本でも有名なトムヤムクンを皆で作った。辛さを調整してくれたおかげで、どんな味覚の人でも楽しめる絶妙なバランスに仕上がっていた。そして、プアローイという温かいデザートにも挑戦した。団子が甘いココナッツスープの中で泳いでいるその姿は、まるで日本のおしるこのようでありながら、まったく異なる風味を楽しませてくれる。このデザートもまた、心を温かくしてくれた。

今回のタイ滞在は二度目だが、まだまだ未知の体験が待っている。前回とは異なる場所に滞在しているおかげで、街の新たな一面を発見できる楽しさも倍増している。夕暮れ時の街を散策しながら、忙しなく過ぎていく時間の中で、今この瞬間静かに流れていく。

そして、ふと気づく。今回の旅も、もう明日で半ばだ。あっという間に過ぎ去った日々を振り返りつつ、残された時間をどのように過ごそうかと思案する。そして、その思案が終わる頃、タイの夜は静かに訪れる。新しい発見と共に、残された日々もまた、この地に魅了される瞬間で溢れることだろう。

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