「幸福な生活」は幕を下ろした

皆様、猫を飼う第4回公演「幸福な生活」にご来場いただきありがとうざいました。

この作品は「何が幸福なのか?」と問いかけるものだった。そして、その問いは、観客一人ひとりの心に深く響いたようだ。いただいたアンケートのコメントを読むたびに、多くの人が自分自身の幸福について向き合う時間を持ってくれたことを感じる。それが何より嬉しく、ありがたい。

演じる側としても、かけがえのない幸福な時間だった。今回の役は、自分の演技の幅を広げる挑戦だったし、感情表現の難しさにも直面した。でも、それが面白かった。花木さんが書く脚本は、いつも予想を超えてくる。だからこそ、演じるたびに新しい発見があり、10回の公演で進化をし続け、すべて違う色を持っていた。大変なこともあったけれど、それ以上に楽しくて、夢中になった。

そして、この作品がここまで輝いたのは、素晴らしいアーティスト集団のおかげだ。諸井さんの彫刻が物語の重要な役割を果たし、大坪さんのピアノが物語に命を吹き込み、大串さんの舞台装飾が空間に魔法をかけ、吉田さんの衣装がキャラクターに息を与えた。最終日は、立石さんの音響サポートが細部まで支えてくれた。この濃密なコラボレーションがなければ、「幸福な生活」はここまで豊かにはならなかった。本当に感謝している。

演劇という枠に縛られず、「面白い」と心から思えるものを生み出せること。その瞬間のすべてが、きっと僕にとっての「幸福な生活」なのだろう。

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