一日まるごと予定が入ってなかったのは、いったい何ヶ月ぶりだったろうか。時計を見ても、胸がざわつかない日。今日は「しなければならない」ことから少しだけ離れて、自分の呼吸のリズムを思い出す日になった。つまりは、Life Repair Day。生活のほころびを少しずつ繕っていくような時間。
最近、ずっと何かに追われていた。日々の怒涛の波を泳ぎ切るのに必死で、気づけば心のどこかが軋む音を立てていた。
人間って、そんなに強くできてない。だけど、壊れる前に立ち止まることは、弱さではないと思う。むしろ、壊れる前に「立ち止まれる強さ」の方が、大人になるってことかもしれない。
少し前の私には、「休む」という発想がなかった。正月とお盆とゴールデンウィーク――それ以外は、ただ走ることが当たり前だった。
けれど今は違う。
それは、年齢のせいだけではない。
窓から差し込む午後の陽が、部屋の壁をやわらかく照らしながら、だんだんと日が暮れていく。何も成し遂げなくても、今日は良い日だったのかもしれない。
そしてまた明日、私は少しだけ心が穏やかになった自分で、日常の波へと戻っていくのだろう。
今日は桜も見納めだった。