授業の1週目ということもあり、慌ただしい日々が続いている。今日も朝から晩まで、息つく暇もなく時間に追われていた。気がつけば、窓の外はすっかり暗くなっていた。
忙しさの真っただ中にいると、ただ我武者羅に走っているだけのようで、ふとした瞬間に、立ち止まる自分がいる。遠くから自分を眺めるような、静かな俯瞰の視点。不思議な感覚だ。
「私は、なぜこんなにも走り続けているのだろう?」
ぽつりと、そんな問いが心に落ちる。誰かに認められたいのか。何か大きなものを成し遂げたいのか。誰かのためになりたいのか。それともただ、日々を丁寧に生きていたいだけなのか。あるいは、生活のため、お金を得るためか。
――どれも、きっと間違いじゃない。
理由はひとつじゃなくてよくて、答えもまた、変わり続けるものなのだろう。
それでも私は、明日も同じように目覚め、また歩き出す。眠るたびに心の埃を払い、朝の光の中で新しい自分を探すように。
たぶん、それが「生きる」ということなのかもしれない。
明日は、もう少しだけ空を見上げてみよう。
深呼吸をして、風の匂いを胸いっぱいに吸い込んでみよう。
世の中は、すばらしいものでできている。
そんなことを、少しでも感じられるなら――きっと、慌ただしい一日も、無駄じゃなかったと思えるはずだ。