アメリカの一つの政策が、世界中の経済を大きく揺らしている。株価は乱高下し、輸入品の価格が上がり、生活に直接打撃を受ける人々もいる。まさに“死活問題”と呼べる混乱が、各地に影を落としている。
それなのに、日本のテレビから流れてくるのは、ある芸能人が起こした大したこのない問題だ。何度も繰り返されて報道される。。
一体、誰がそれを必要としているのだろう。
あの芸能人の行動が、自分たちの暮らしに何の関係があるというのか。
それでもメディアは報じ続ける。まるで、見えない何かの力が働いているかのように思える。
──これは平和すぎる国の、ある種の「贅沢」なのかもしれない。
スキャンダルに目を向け、「それ、知ってる?」と話題にして、また次の話題に飛びつく。
それがただの“暇つぶし”であるうちはまだいい。
けれど、もしもそれが「思考停止の癖」となり、社会の本質を見失う原因となっていくならば、その先に待っているのは、静かに崩れていく未来だ。
私たちは気づかないふりをしているだけかもしれない。
自分たちの暮らしが、遠い誰かの政策によって揺れ動くという現実に。
自分たちの無関心が、未来を形作ってしまうという事実に。
今日も、テレビは流れている。
どうでもいい話が、どうでもよくない顔で。