朝、外に出た瞬間の空気が変わった。ほんの少し前まで感じていた柔らかい温度が消え、指先に冷たさが触れる。その冷たさで、季節がひとつ進んだことを知る。
冬が近づくと、街の色は少しずつ沈んでいく。明るい日差しに頼っていた気持ちも、自然と落ち着いていく。特別な高揚感はない。ただ、静かに「こうしてまた冬が来るのか」と思うだけだ。
季節の変化には逆らえない。どれだけ忙しくしていても、どれだけ気を張っていても、冬は自分の歩調とは関係なく訪れる。私はその流れを受け入れるしかなくて、受け入れながら、少しだけ身の置き方を整える。
冬のはじまりは、特別でも劇的でもない。
けれど確かに、生活に静かな影を落とす。
その影とどう向き合うかを考えるうちに、また一歩、次の季節へ入っていく。
