新生活とは、きっとこういうことなのだろう。
見慣れない町を歩き、少しずつ地図を自分の中に描いていく。
駅までの道、よく立ち寄る店、ふと足を止めたくなる景色。
まだ名前のついていない「自分の場所」が、少しずつ増えていく。
何か特別な出来事があるわけではない。
けれど、ひとつひとつの選択が、これからの暮らしを形づくっていく。
そんな静かな積み重ねの中に、新生活はあるのだと思う。
慣れない空気に、少しだけ戸惑いながらも、
これからが始まるという感覚を抱いている。
明日から、新年度が始まる。
きっとまた慌ただしい日々になるだろう。
それでも、この街で過ごす時間が、少しずつ自分のものになっていくはずだ。
焦らなくていい。
急がなくていい。
一歩ずつ、この場所に根を下ろしていけばいい。
そんなことを思いながら、今日も、この町を歩いている。
