今夜は別役実を読んでみた。
戯曲「にしむくさむらい」を声に出してリーディングしてみた。なんとも不思議な世界に引き込まれ、次どうなるのかが気になる物語だった。言葉の「あや」や、変なものが出てきて笑いがでるような部分もいっぱいあり、これはコメディを意図して作られているかもしれないとさえ思った。が、しかし、最後に一気に展開するところで、シュールな世界からいきなり人間の醜さを感じるような怖さが押し寄せてきた。
おそらくお客としてこれを見たら、見終わってからすっきりとした気分にはならないであろう。ただじわじわとくる、この作品が伝えたかったことを考えるに違いない。花やかな綺麗な部分だけが人間ではない。中には醜いものをもっている人がいるのは確かだ。その触りたくない部分を、どうして作者は描きたいと思ったのかは、不思議としか言いようがないのだが、深い意味がそこには感じられた。
演劇とは何か?どうあるべきものなのか。その生き様を、しっかりと作品で示しているところは、やはり巨匠である由縁であろう。
演劇は教育であると私は昔から捉えているが、今回もリーディングとして音にだして聞いてみるだけで学びになった。このようなクラシック作品を紐解くことは、自分の演劇の世界観を広げるために必要だと思う。
そんな理由もあって、始めたのが「見えない演劇」シリーズだったりする。
8月8日(日)に開催される「見えない演劇第2弾」は2本立てで、第1部は3月に上演した「時の崖」(作:安部公房)、そして第2部は「桃太郎」(作:芥川龍之介)を、薩摩琵琶の北原香菜子さんとのココラボし、音(こえ)で物語の世界へ誘うイベントになっている。限定25席となっているのでお早めにどうぞ!チケットの申し込みはこちらから(下部の方にフォームがあるので書き込みしてください)→ https://aoyagi-engeki.com/ticket
佐賀経済新聞→ https://saga.keizai.biz/headline/1179/
佐賀新聞→ https://www.saga-s.co.jp/articles/-/713077