朝井リョウさんの原作「正欲」も読んでいて、映画化されたことは知っていた。見ようとずっと思っていたのだが、やっとチャンスに恵まれた。長編小説であるため映画でどこを使うかというのは判断が難しかったのではないかと思われる。無論、原作には勝てないから、ちょっと不完全燃焼のようにも感じたがおもしろかった。映画になっても俳優陣の力で朝井さんの鋭い言葉は心に響いた。

普通が求められる社会で、普通に生きる、生きないといけない息苦しさに対して、どう向き合っていくのかを考えさせられた。そもそも「普通」とは何なのか?多様性という言葉だけが蔓延る日本社会では、本当に多様性を尊重しているのかも疑問に思うことが多々ある。そのことに対して、朝井さんは作品を通じてチャレンジしている。真のアーティストだと思った。

原作はあるにしても、やはり映画というのは監督というものだ。岸善幸監督の作品は初めて見たが、他の作品も見てみようと思う。

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6月7日〜9日は「猫を飼う」公演で私が演じるのはダメンズだ。「悪党」はちょっと大人な作品となっている。ご予約受付中!

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