本日は佐賀城本丸歴史館での出演。しとしと降る雨の向こうに、春の足音がかすかに聞こえる。天候にかかわらず、全国から訪れた観光客の皆様が足を止め、私たちの演劇に見入ってくれた。
観劇後のアンケートには「意外におもしろかった」「歴史がわかった」「佐賀の賢人たちに興味を持った」といった声が並ぶ。時には直接、感想を伝えてくれる方もいる。その一つ一つが、私たちの活動を支える力になっていく。思えば、この歴史劇を始めてもう12年。あっという間のようで、決して平坦な道ではなかった。
演劇を通じて何かを生み出したかった。ただの再現劇ではなく、毎週の本番を充実したものにし、地域とともに生きる活動にしたかった。最初は、この想いにどれだけの人が共感してくれるかわからなかった。でも、続けるうちに少しずつ仲間が増え、観客が増え、この活動の価値を実感してくれる人が増えていった。
今、こうして舞台に立ち、歴史の息吹を伝えられることが、どれほどありがたいことか。私は演劇家として、地域活性化や観光PRにとどまらず、教育の場にも演劇を取り入れ、その可能性を広げている。
できることを、もっと広く、もっと深く。これからも、私にできる限りの力を尽くしていきたい。