言葉は人を支える

春の気配が日に日に濃くなり、桜の開花が待ち遠しい今日も、多くのお客様が佐賀城本丸歴史館で歴史寸劇に足を運んでくださった。遠くバンクーバー、コソボ、台湾からも来場され、国境を越えた一期一会の出会いが生まれる。こうした瞬間があるからこそ、演じることは面白い。

同じ芝居を何年も続けていても、一度として同じ舞台はない。その瞬間、その場にいる人々と共に生まれる空気が、芝居を唯一無二のものにする。演者だけではなく、お客様とともに創る空間――それが演劇の醍醐味だ。

公演後、アンケートを読み返すたびに、舞台で生まれた空気が言葉となり、観客の心に残ることを実感する。そして、温かい言葉に触れるたび、「また頑張ろう」と背中を押される。言葉は人を支える。

「言葉には力がある。それは人を癒し、励まし、時には未来を変えることもできる。」
── マヤ・アンジェロウ

演劇を続けていけるのは、自分の力だけではない。共に歩む仲間、応援してくれる人々、そして観客の存在があるからこそ、舞台に立ち続けることができる。だからこそ、幕が上がるたびに、感謝の気持ちでいっぱいになるのだ。

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