風が強く、冷たく吹きつける日が続いている。季節が、冬と春の境目を行き来している感じだ。ときおり、嵐のような突風が吹き荒れ、街の木々がざわざわと身をよじる。陽射しが差すと、一瞬だけ心がほっと緩むけれど、それでもどこかにまだ冬の気配が残っていて、「春だ」と言いきれない日々が続いている。

暖かくなるのが待ち遠しい。でも、あっという間に通り過ぎて、次はもう汗ばむような陽気がやって来るのかもしれない。だからこそ、こういう「少し肌寒い春」を、少しだけ好きでいたいと思う。

それにしても、4月は濃い。

一日一日が、ぎゅっと詰まっている。呼吸をする間もないほどに、いろんな物事が交差して、気づけば心がパンパンになっている。まだ16日しか経っていないのに、もう1ヶ月分くらいのことがあったような気がするのは私だけだろうか。

それでも前に進んでいる。そう、季節がうまく切り替わらないように、私の中の何かもまだ冬のままで、完全に「春モード」になりきれていないだけなのかもしれない。けれど、それでも時間は確実に流れていて、少しずつ、心も整っていくのだろう。

この風の中でも立っていられるように。陽射しを見逃さないように。
そんなふうに、4月を歩いていこうと思う。

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