梅雨は終わっていた

いつの間にか、梅雨は終わっていた。
あれ?と思うほどに、気がつけば空は明るく、風には夏の匂いが混じっていた。
梅雨らしい雨は、あまり降らなかったように思う。
ということは、また季節外れの台風がやってくるのだろうか。
昔のように、四季の中で決まったことが訪れることは、もう期待できないのかもしれない。

世の中は、少しずつ、けれど容赦なく変わっていく。

たとえば、ずっとそこにあったものが、ある日ふと、消えてしまう。
ほんのわずかな変化のはずなのに、見慣れた風景は別物のようになってしまう。
人は「慣れ」というフィルターを通して世界を見ているからこそ、そのフィルターが外れた瞬間、違和感を感じる。別にそれが悪いということでは全くない。

気づかないうちに、私たちは変化の中を歩いているということだ。
変わらないと思っていたことも、永遠に続くと思っていた景色も、少しずつ形を変えていく。

そして今日も、何かが終わり、何かが始まっている。
それは静かな音を立てながら、私たちの暮らしの隙間を通り過ぎていく。
変わっていくことに戸惑いながらも、それを受け入れていくこと。
きっとそれが、今を生きるということなのだろう。

さて、暑い暑い夏に向き合うとしますかね…。

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