今朝の皆既月食は、日本ではおよそ3年ぶりの出来事だった。前回は2022年11月8日に観測されたというが、そのとき自分が見たかどうかは、はっきり覚えていない。今朝は、ちょうど満月となる3時頃、なぜかふと目が覚めた。その偶然のおかげで、空に浮かぶ赤い月を静かに見届けることができた。
「血の月」とも呼ばれるその光景は、古代の人々にとっては恐怖でもあり、また神秘の象徴でもあった。不吉の前触れと恐れられることもあれば、吉兆のしるしと喜ばれることもあったという。確かに、月がゆっくりと赤みを帯びていく様子を目にすると、胸の奥にひそやかなざわめきが広がる。美しさと不気味さが入り混じる。
そして、今夜は満月。暗闇を優しく照らし、どこまでもついてくるように光は道を導いてくれる。帰り道、ふと見上げると、その月はまるで無言の伴走者のように寄り添ってくれていた。
私はいつものように、満月に願い事を託す。これは私のルーティンであり、どんな月夜でも欠かさずノートに書き記している。書くことで心が整い、自分自身と静かに向き合えるからだ。
月に向かって私のちっぽけな願いを書いていると、宇宙の営みの中で自分の存在はとても小さく感じられた。それでも、この瞬間を見届け、心に刻むことができたのは、確かに生きている証なのだろう。次に月が赤く染まる夜は、2026年3月3日だという。そのときには、私はどんな自分でいるのだろうか。
