新しい道のりが、静かに動き始めた。

もちろん、不安がないわけではない。むしろ、わからないことの方が圧倒的に多い。これからどんな景色が待っているのか、どんな出会いや出来事があるのか、想像しても輪郭はぼやけたままだ。

それでも、不思議と足は止まらない。止める理由を探すよりも、一歩でも前に進む理由の方が、今は自分の中で大きくなっているのだと思う。

年齢を重ねるほどに、変化は慎重になるものだと感じていた。これまで築いてきたものや、守るべきものが増えるほど、人は簡単には方向を変えられなくなる。けれど同時に、変わらないことの怖さもまた、少しずつ知るようになってきた。

どれだけ考えても、未来は完全には見通せない。だからこそ最後は、自分で選び、自分で進むしかないのだろう。

大きな決断というものは、派手な音を立てて訪れるわけではない。むしろ日常の延長線の中で、いつの間にか動き出していることの方が多い。昨日までと同じように朝が来て、同じように時間が流れていく。その中で、自分の内側だけが少しずつ変わっていく。

まだ道ははっきりとは見えていない。遠くの目的地も、確信を持って語れるほどではない。けれど、前を向いて歩き続けることだけは決めている。

迷いながらでもいい。立ち止まりそうになってもいい。
それでもまた顔を上げて、一歩を踏み出していく。

新しい道のりは、もう始まっているのだから。

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