変わる勇気を持ち続けること

近年、「老害」という言葉を耳にすることがある。
少し強い響きを持つ言葉だが、私はこの言葉について、できるだけ穏やかに考えてみたいと思っている。

確かに、長く仕事をしていると、経験や実績が増える。
それは本来、とても価値のあることだ。
積み重ねてきた時間は、その人だけの財産であり、社会にとっても貴重な知恵のはずだと思う。

ただ一方で、時代は確実に流れている。
新しい価値観や方法が生まれ、若い世代はそれを自然に受け入れていく。
その流れに対して、「昔はこうだった」「それでは通用しない」と強く押し戻してしまう瞬間があると、そこに小さな摩擦が生まれるのかもしれない。

もしかすると「老害」と呼ばれてしまう現象は、
年齢の問題というより、変化との距離感の問題なのだろう。

変わらないことが悪いわけではない。
守るべきものは確かにある。
けれど、守ることと閉じることは、ほんの少しだけ違う。

若い人の声に耳を傾けること。
新しいやり方を一度試してみること。
そして同時に、経験から生まれる言葉を丁寧に手渡していくこと。

そのバランスが取れたとき、
「老害」という言葉は、少しずつ必要のないものになっていくのではないかと思う。

年を重ねることは、衰えではなく深まりのはずだ。
深い木が、若い芽の成長を邪魔するのではなく、
風から守る存在であれたらいい。

私自身も、いつか誰かにそう見られる日が来るかもしれない。
だからこそ今から、変わる勇気だけは持ち続けていたいと思う。

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