変わっていく

年を重ねると、いろいろなものが静かに変わっていく。

まず気づくのは、自分の身体だ。
以前は何も考えずにできていたことに、少し準備が必要になったり、回復に時間がかかったりする。ほんの小さな変化なのに、それはどこか確かな現実として、私の前に立ち現れる。

けれど、変わっていくのは身体だけではない。
考え方も、価値観も、そして今まさに私は「環境」そのものを大きく変えようとしている。

ここまで築いてきたものを手放すような感覚。
見慣れた景色から離れていくような心細さ。
一歩を踏み出そうとするたびに、「これが本当に正しいのだろうか」という問いが、胸の奥から静かに浮かび上がってくる。

正解は、きっとどこにも書いていない。
未来はまだ誰のものでもなく、私自身の選択によってしか形にならないのだから。

それでも思う。
変わろうとしているということは、まだどこかで自分が自分の可能性を信じている証なのだと。現状に安住することもできるはずなのに、あえて揺れる道を選ぼうとしているのは、ほんのわずかでも「この先に何かがある」と感じているからなのだろう。

年を重ねるということは、守るものが増えることでもある。
同時に、背負ってきたものの重みを知ることでもある。
だからこそ、変化は若い頃よりも勇気がいる。

けれど、人生はいつだって途中だ。
今この瞬間の選択がすべてを決めてしまうわけではない。
遠回りに見える道も、あとから振り返れば必要な時間だったと思える日が来るのかもしれない。

私はまだ、答えを知らない。
それでも歩こうとしている。
変わっていく自分を受け入れながら。

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