新月の夜に。

今夜は、空がひっそりと暗闇をまとっている。
月は姿を隠し、世界は静かに呼吸をひそめ、
まるで心の奥までそっと耳を澄ませるような時間が流れている。

新月の夜は、不思議だ。
光がないのに、どこか温かい。
なにも見えないのに、なにかが始まる気がする。
暗闇が、なぜか優しい。

この静けさが今の自分にちょうどいいのかもしれない。
揺れる気持ちも、不安も、焦りも、
誰にもぶつけずに、ただそっと胸の奥に置いておける。
こんな夜だからこそ、
言葉にならない思いが、静かに形を持ち始める。

願いごとを紙に書く。
「私は」から始まる、自分だけの未来のかけら。
どれもまだ、手に触れられないほど繊細で、
けれど確かに、今の私の心から生まれたものたち。

大切に思う気持ちも、
そして未来にそっと灯したい小さな希望も、
全部、書いた言葉の中でやわらかく息をしている。

新月は、始まりのしるし。
なにもない夜だからこそ、
これから満ちていく光を、自分の中に育てられる。

今はただ、この静かな夜に身を委ねるだけだ。
ゆっくりと、深く息をして、
新しい一歩を踏み出すための心の準備をする。

願いは叶うかどうかではなく、
願える心でいることがもうすでに救いだと、
今日、ふと気づいた。

新月の夜に。
私はまた、始まっていく。静かに。

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