立ち止まるたびに、後ろを振り返ってしまうことがある。
自分が進めば、誰かを置いていくのではないか。
もし戻れば、まだ同じ場所にいてくれるのではないか。
そんなことを考えて、足が止まる。

けれど、後ろには必ず待っている人がいるわけではない。
人はそれぞれ違う速度で、違う事情を抱えて生きている。
同じ時間を共有していたとしても、同じ場所に留まり続けるとは限らない。

誰かが待ってくれていたら、それはありがたいことだ。
それは義務でも当然でもなく、選ばれた行為だと思う。
だからこそ、「待っているはずだ」と決めつけてしまうのは、少し危うい。

前に進むことは、誰かを切り捨てることとは違う。
自分の時間を生きる、という選択だ。
本当に縁のある人とは、歩く方向が違っても、
またどこかで交わるのかもしれない。

後ろに誰もいないかもしれない。
でも、誰かが待ってくれているかもしれない。
そのどちらも抱えたまま、前に進むだけなのだろう。

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