その瞬間に生きる

公演の2日目が終わった。
連日、満席のお客様に迎えていただけるということ。その事実の重みを、舞台に立つたびに静かに噛みしめている。

お芝居は、生き物だ。
昨日と同じようにやっているつもりでも、まったく同じにはならない。むしろ、少しずつ、確実に変わっていく。

やりながら課題を見つける。
ほんのわずかなズレに気づく。
予期しないハプニングに出会うこともある。

けれど、そのすべてが材料になる。
その場で拾い、手渡し、受け取り合いながら、演者同士で形を探っていく。

「もっと良くなるはずだ」と信じる。頑なに信じる。

このプロセスが、たまらなくおもしろい。
完成されたものをなぞるのではなく、未完成のまま進み続けること。
その不安定さの中にしかない熱がある。

終わったとき、何が残るのか。
どこに着地しているのか。

正直、それはわからない。

けれど、わからないままでいいと思っている。
むしろ、その曖昧さがあるからこそ、今この瞬間に集中できる。

目の前にある一つ一つに向き合う。
相手の呼吸を感じる。
観客の気配を受け取る。

そして、ただ、その瞬間に生きる。

舞台の上でしか味わえない、あの濃密な時間の中で。
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