あっという間だった、とは言えない。むしろ、その逆だ。
一つひとつの出来事が重く、確かに手応えを持って、時間の中に刻まれていく。気がつけば、濃密な時間が静かに積み重なっている。
初めてのことがあまりにも多い。
戸惑いは、正直に言えば常に隣にある。それでも、不思議と立ち止まることはない。わからなかったことが、ある瞬間ふっと輪郭を持ち、少しだけ前に進めたような感覚が生まれる。
最初から全部が見えているわけではない。
むしろ、見えないことの方が多い。だからこそ、一歩踏み出すたびに、新しい景色に出会う。その繰り返しの中で、少しずつ理解が追いついてくる。
きっと、こういうものなのだろう。
焦って答えを求めるよりも、目の前の出来事と丁寧に向き合うこと。その積み重ねが、後になって「自分の時間だった」と言えるものに変わっていく。
濃密な時間の中にいると、時間の速さは測れなくなる。
ただ確かなのは、昨日よりもほんの少しだけ、自分が前に進んでいるということだ。
