耳をすませば…

ジブリのアニメの名作である「耳をすませば」の続編を実写版で作った同タイトルの映画を見た。きっとアニメの中の二人の恋愛が将来で成就したかどうかは、先を知らない方が良かったのかもしれない。その方が美しかった。それを描くことにより、結果的にはいたって普通のラブストーリーになってしまい、味気がない感じがした。答えを出してしまうことにどんな意味があるのか。全てを語ってしまうのではなく、余白を残すことこそにおもしろみがあるものだ。

と私は思う派である。

一方で、わかりやすいラブストーリーを好む人も一定数いることもわかっている。映画に何も求めるのかということの価値観の違いなので、否定するわけでもない。どのような内容を、どんなターゲット層に提供するかは、作り手が決めることであり、おそらく私はそのターゲットには入っていない気がした。

私もミュージカル作品を作る時には、わかりやすさを意識せざるを得ないこともある。すでに物語の中で歌が入っているだけでも、普通とは言えなくなる。もっと複雑にもっとぶっ飛んだ物語を考えたとしても、今のターゲットにしているお客様はついてきてくれないかもしれない。なかなかのジレンマがここにはある。

難しい。だからこそおもしろくてやりがいがある。創作なんてそんなもんだ。

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