現在の日本は、物価上昇や人手不足といった問題に加え、VUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)の時代に直面している。これは、社会や経済が非常に不安定で、予測が難しく、複雑で曖昧な状況にあることを意味する。こうしたVUCAの環境は、急速な変化が常態化しているため、従来の考え方や方法では十分に対応できなくなっている。
物価が上がり続けている理由には、エネルギー価格や食料品の輸入価格の上昇がある。これは、コロナ禍やウクライナ戦争など、グローバルな要因によって引き起こされたものであると考えられ、国内の問題だけで解決できるものではない。加えて、賃金が物価の上昇に追いついていないため、家計にはかなり厳しくなってきている。
また、日本は少子高齢化によって働き手が減少していて、これにより人手不足が深刻化している。企業はAIの導入、自動化や外国人労働者の受け入れを進めているが、これらの取り組みだけでも追いつけていない部分も多くある。
VUCAの時代では、安定した未来の予測が困難である。こうした問題に対して迅速かつ柔軟に対応することが求められる。アンテナを張って、いち早く情報をキャッチし、新しいスキルを身につけ、変化に適応していく必要がある。日本は物価上昇と人手不足という具体的な問題に直面しながら、VUCAという不確実性の時代に対応していくことが今後の鍵となる。この時代においては、単なる問題解決だけでなく、変化を前提とした新しい思考と行動が必要である。