年末のこの季節

今夜の寒さは一段と厳しい。気温は0℃から氷点下へと沈み込み、冬の冷たい刃が空気を裂くようだ。こんな夜は、温かな部屋で過ごせるありがたさをいつも以上に感じる。

年末のこの季節は、街全体がせわしなくも華やいでいる。忘年会やクリスマス会が続き、仲間たちともに笑い合い、語り合う時間が日々の寒さを忘れさせてくれる。同じ時間を共有できるのは何よりの幸せだ。手を伸ばせば温かい食事があり、笑顔があり、その一つ一つが心に染み渡る。

しかし、楽しさの代償もどこか頭の片隅にちらついている。美味しい料理やデザートが並ぶたび、「食べ過ぎないように」と自分に言い聞かせるのだが、その誘惑は強い。それでも今のこの瞬間を楽しむことのほうが大切だと、自分に甘くなってしまう。

調整しているつもりではあるが、年明けには体重計の数字が少し変わっているかもしれない。それでも、笑い声や温かな時間がもたらす幸せには、わずかな妥協があってもいい気がする。この冬、心を満たすことにこそ重きを置いてもいいのではないだろうか。氷点下の夜に、ふとそんなことを思いながら、自分をそっと納得させている。

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