叶っている

講師という仕事を続けてきた。気がつけば、もう長い時間が経っている。最初からこの道を意識していたわけではなかった。それでも、振り返れば、歩んできた道のすべてが、今この場所にたどり着くための布石だったように思う。

大学時代、演劇の師匠と出会った。ただ単純に「この人みたいになりたい」と憧れた。その人の言葉には重みがあり、舞台の上で語られるひと言ひと言が、演者だけでなく、観客の心に深く刻まれていくのを感じた。その姿があまりに鮮烈で、魅了されずにはいられなかった。憧れはやがて目標となり、自分も同じように誰かに影響を与える存在になりたいと思うようになった。

大学の先生になりたい。演劇を教えたい。その思いが、いつしか願いになり、努力へと変わっていった。研究を重ね、実践を積み重ね、指導者を目指して走り続けた。演劇の本質は何か、表現の力とは何か――問いを繰り返しながら、舞台と教育の狭間で、自分なりの答えを探してきた。気づけば、あの頃の自分が思い描いていた夢は、確かに叶っている。

けれど、夢が叶ったからといって、すべてが終わるわけではない。むしろ、そこからが本当の始まりだった。この仕事を続ける限り、次に何をすべきかを考え続けなければならない。講師という仕事は、ただ教えるだけではない。学び続けること、問い続けること、そして演劇という表現の可能性を探求し続けること。
あの頃憧れた師匠は、今でも私の中にいる。私の言葉の端々に、指導の仕方に、演劇への向き合い方に。その存在があるからこそ、私は今も迷いながらも前に進んでいるのかもしれない。きっと、これからもずっと。

さて、まだまだ本番ラッシュはは続く!今週末の16日、そして23日、30日は佐賀城本丸歴史館での歴史寸劇出演となっている。是非、春の兆しを感じながら、お気軽にお立ち寄りください。会いに来てもらえると嬉しいです!お待ちしております!!

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