ようやく春の訪れを肌で感じる。朝、窓を開けると、やわらかな陽ざしがカーテン越しに差し込み、街の空気が冬の冷たさから解き放たれたようだった。気温がぐんと上がり、桜が開花し始めた。しかし、週末には寒の戻りがあるらしい。花見に最適なのは、きっと来週あたりだろう。満開の桜の下、そよぐ風に舞う花びらを想像すると、心が少し軽くなる。
この時期は、年度の終わりと始まりが交錯し、いつも以上に慌ただしい。それは毎年のことなのに、今年は少し違っている。周囲の状況ではなく、自分自身の心が変わっているからだ。これまで見ないふりをしてきた気持ちに、ようやく気づいた。
変わりたい。
いや、すでに変化は始まっているのかもしれない。きっと、これはタイミングだ。
春の風に吹かれながら、私は静かに決意した。散る花びらを惜しむのではなく、新しい芽吹きを喜べる自分でいたい。今、この瞬間を大切にして、一歩を踏み出そう。
春は、旅立ちの季節だ。