雲の上の夕焼け

わりと余裕をもって空港に着くことができた。夕方のフライト。窓の外に目をやると、分厚い雲を突き抜けた先に、広がっていたのは夕焼けだった。どんよりとした空の下では気づけないような光が、こんなにもまぶしく存在している。そんな小さな発見が、なんとも言えず嬉しい。

今年度は、もうすでに何度も遠方へ足を運んでいる。自分で望んで引き寄せているのは、結局のところ自分自身だ。だから、不思議と疲れはそこまで感じない。それどころか、多くの場所で出会う人々や交わす言葉、そこから生まれる新しい学びが、心の底から嬉しくてならない。

まだ見ぬ景色がある限り、私は走り続けている気がする。移動のたびに浮かんでくる小さなアイデアたち。それらが少しずつ形になっていく過程もまた楽しい。

改めて考えると、その根っこにはやっぱり「好奇心」があるのだと思う。

知らないことを知りたい。見たことのない風景を見てみたい。会ったことのない人と話してみたい。そんなシンプルで子どもみたいな衝動が、気がつけばずっと私を動かしてきた。

新しい土地に降り立つたびに、空気の匂いが違う。人々の言葉が違う。考え方や価値観も、自分とは少しずつ違っていて、それがまた面白い。

「なぜこの場所で、こういう文化が育まれたのだろう」

「この人が大事にしているものは何だろう」

「私はここで何ができるだろう」

そうやって問いを重ねていくたびに、自分の世界が少しずつ広がっていくのがわかる。その感覚が、何よりも楽しい。

さて、今回の出張でもどんな出会いが待っているだろう。雲の上の夕焼けのように、今はまだ見えない光がきっとどこかで私を待っているはずだ。

好奇心は、私の中でいつも静かに火を灯し続けている。その小さな火を頼りに、また一歩、前へ進んでいく。

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